天承庵本尊仏
若八幡神社の社宝として管理されている。その体内には応永4年(1397)の墨書銘があり、この地域の南北朝期から室町時代にいたる仏像彫刻の流れを考える上で極めて貴重な資料である。檜材に一木造、大粒の螺髪(らはつ)に面相も厳しく、衣の彫りは浅彫りである。
像内墨書銘は次のように書かれている。
豊後州玖珠縣帆足郷
若宮天承庵本尊也
時干應永四年歳次丁丑十二月十三日
大檀那清原眞人允京助
法名宗通
願主講衆等
作者比丘大慶真棟(花押)
住庵比丘玉峯至玖(花押)
これによれば、応永4年12月13日、帆足郷若宮八幡宮の神宮寺とみられる天承庵の本尊とし、清原宗通を大檀那として造立されたことがわかる。その時の住持は玉峯至玖、仏師は大慶真棟であった。
更新日:2021年04月01日