鬼ヶ城古墳

更新日:2021年04月01日

 鬼ヶ城古墳は、小岩扇山から南西に伸びる標高410メートルの丘陵上に立地し、平野部からの比高差は約70メートルである。古墳は石室の壁面に線刻で文様が描かれた装飾古墳である。
 現状で直径約14メートル、高さ約5メートルを測る円墳である。墳丘の周囲は杉林であるが、昭和63年(1988年)の19号台風によりすべて倒された。
 主体部は玄室と前室からなる複室構造の横穴式石室であるが、すでに羨道部を失い全長約5.7メートルを測る。前室・玄室ともに腰石に高さ約2メートル近い大きな石を用い、天井はそれぞれ一枚石である。玄室奥壁は1.5メートルほどの鏡石を据え、その上部には石棚が突出している。
 文様は、玄室と前室を画する左袖石に描かれ、全面に線刻が認められるが、現状で明瞭に形状が判るのは「木の葉」だけである。以前の報告には、「人物」や「群鳥」・「船」などが見られたというが、今は確認できない。
 線刻が施された古墳は、筑後川流域では類例がなく、「木の葉」の文様はむしろ周防灘沿岸地域の古墳に見られ、また石棚を持つ石室は、福岡県南部から熊本県北部の古墳に類似し、大分市千代丸古墳にも認められる。
 時期は7世紀初頭前後と考えられている。

周囲を杉林で覆われている墳丘の上に土が盛られている鬼ヶ城古墳の写真

鬼ヶ城古墳

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